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n型半導体とp型半導体をくっつける

n型半導体とp型半導体をくっつけるとどうなるか。n型とp型の境界面を境にして、電子が多い領域と正孔が多い領域に分かれることになる。そのままに放置しておくと電子と正孔は再結合して、境界を中心として電子も正孔もない、ある幅の「真空地帯」ができる。これを「空乏層」と呼ぶ。このように接合した二つの半導体に電圧をかけて、電気を流すとしよう。ある方向には電気が流れるが、その逆には流れない。この機能は整流作用(交流電流を直流に変えること)をもつ「二極真空管(ダイオード)」と同じである。n型半導体中の電子が境界面の方向に向かうと同時に、p型半導体中の正孔も逆向きに境界面の方向に向かい、境界面付近で電子と正孔は再結合して光を出す。半導体中の高いエネルギー状態の電子が低いエネルギー状態に落ちるときに、そのエネルギー差を光として放出すると言い換えてもよい。高いエネルギー状態と低いエネルギー状態のエネルギー差(バンドギャップ)は、物質の組成によって決まるので、光の波長も同じように、物質の組成によって決まることになる。これが発光ダイオードの原理である。もちろん、実用になっている発光ダイオードの組成や構造は、n型半導体とp型半導体とを単純に接合したものではなく、複雑である。このプロセスが、レーザーで説明した「自然放出」と同じであることに気づかれたと思う。半導体レーザーはさらに「反転分布」をつくって「誘導放出」を起こさせ、キャビティ中で共振させて、単色性が強く位相がそろったレーザー光にするものである。だから、最初にある波長の光を出す物質が工夫されて発光ダイオードがつくられ、そのあとで半導体レーザーがつくられるという歴史をくりかえしてきた。