工務店に雇われている建築士が工事管理をする。「兼務」、大工の友人の建築士が工事管理をする「癒着」のときの問題である。このとき、工事管理の仕事依頼の流れは建築主、工務店、建築士の順である。工事管理の代金の流れも同じである。当然、工事管理に関する「報告」は、この流れをさか上ることになる。つまり建築士から工事施工者へ、そして工事施工者から建築主への順である。ところで今、建築士が工事を照合したところ、設計図書と違う工事が行われていた。
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職人に注意をしたが従わない。このようなとき、法律の規定により建築主に報告をしなければならない。ところが、建築士は建築主に対し「直接」報告をすることはできないし、その必要もない。工事管理の代金と同様、工務店の社長や大工を介しての報告となる。建築士はこの順序を勝手に変えることはできない。たとえば、工事で職人が設計図書と違う安い建材を使ったり、簡易な施工法ですませていたとしても、その件は工務店の社長は了解済み、もしくは社長からの指示かもしれない。その社長に雇われているサラリーマン建築士が社長を飛び越し、直接、勝手に、工事の問題点を建築主に知らせれば、自分のボーナスや昇級に影響が出ることは確実である。下手をすれば「裏切り者」として首が飛ぶ。