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式は自前の衣装でしなければ意味がない

いよいよ挙式。たいていのホテルが結婚式場として使われることを喜んでいる。大量のお客を一度に吸収できるから。そしてホテルで決まった料理、決まった手順で進行するのだが、その間に新郎新婦共に色直しというものをやる。地方によっては、三度も四度も着せかえ人形のようにやるけれど、私はもし色直しというのをするなら、せいぜい一回でよいと思うに東京は、その一回さえしないひとがある。地方ほど、回数が多いというのは、結婚式が一種のお祭りになっているからであろうか。私は、結婚式はお祭りではなく、厳粛な儀式だと思う。どうしてもわからないのは、なぜ女優のように島田の鬘、借着の衣裳で平気なのかということである。私の家は、息子や娘の結婚式はすべて自前の衣裳であった。白生地のままの白無垢は、あとで黒の留袖に染めた。一人の息子の妻は、自分の振袖を自分で染めて、それを着てきた。私は娘に成人式の時の振袖を着せた。誰も鬘はかぶらなかった。おかっぱのままであった。結婚の第一歩が借着で始まるというのが、私には何とも不真面目な感じがする。借着だからちょっと暮してみて、だめだったら離婚して、また借着で式を挙げればいいなどという、安直な気分になることはないかしら。自前で作った振袖は、あとで快を普通の着尺並みに切れば、今度は訪問着としても使える。第一、この頃は、借着代も高い。それで十分に自前のものがつくれる。豪華絢爛でなくても、自前というのは、何というすがすがしさであろう。