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状況を変える「ひと言」

渋滞の中、タクシーで大阪市内に入ると、すでに午後になっていた。それから西宮に向かって行く道路がまたまた大渋滞で動かない。見ると、その中には救援にかけつけた京都の消防車や自衛隊らしき車両が混じっている。赤いランプを光らせてはいるのに、サイレンは鳴らしていない。大渋滞で動かないので、進むのをあきらめているようだ。一方、被害のすさまじさを物語るかのように、対向車線は神戸から一台の車もやってこない。私は「ちょっと待てよ」と思った。

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その前にタクシーの中で、かろうじて通じた携帯電話で建て主と友人に電話をした。地震当日だけは携帯電話が通じていたのである。「大丈夫。家も無事」だと確認ができていたので、すでに無理して行く必要はなくなっていた。西宮口まであと数キロぐらいに迫ってくると、おかしな壊れ方をした建物が見えてきた。ふつうの住宅が半分だけ崩れていたり、傾いたりしているのを見ると、職業柄、家がどんな壊れ方をしているか知りたくなった。しかし、平服で救助も調査もできない私はあえてそこへ行くこともできない。横の車をのぞいてみると、やはり家族を心配して向かっているという様子ではない。壊れた建物を指さしながらおしゃべりをしている。もちろん救急車両以外に、家族の安否を確かめに現地に向かっている車もいたであろう。しかし周りを見渡してみるかぎり、ほとんどは「野次馬」のようだ。これは被災者にとって迷惑以外の何者でもない。